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陰茎がん

陰茎がん|よつかいどう泌尿器科クリニック|排尿障害・尿路結石のご相談なら|千葉県四街道市

陰茎がんとは

陰茎の皮膚から発生する“がん”で、95%以上が、扁平上皮がんです。発生頻度は10万人あたり0.40.5人と稀な疾患です。亀頭や包皮が好発部位で、亀頭部の腫瘤、潰瘍、発赤や出血などの症状を認めます。腫瘍が壊死すると悪臭を伴うこともあります。

以前は包茎が罹患のリスク因子として考えられていましたが、最近では、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染が大きく関与していると考えられており、女性の子宮頚がんと同様、性行為感染症が何らかの関与をしていることが推測されています。また、喫煙も罹患リスクを2.84.5倍に引き上げると報告されています。

陰茎がんの検査

視触診:視診にて病変部の確認をするほか、触診で圧痛や硬結の有無、病変の広がりを調べます。

血液検査:転移を伴うような進行例では、血中のSCC抗原が、腫瘍マーカーとして有用との報告があります。

MRI検査:“がん”の深さや広がりを調べます。

CT検査:肺、肝臓、リンパ節などほかの臓器への転移を確認するための検査です。

生検検査:尖圭コンジローマなど、他の性行為感染症との見分けがつきにくい場合は病変部の組織を採取し、組織診断を行います。

陰茎がんの治療

陰茎がんの主体となる治療は手術療法です。“がん”の広がりによって術式が変わります。鼠径リンパ節転移が疑われる場合は、手術でリンパ節を摘出することもあります。 “がん”が小さく根が浅い場合は放射線療法で治療する場合もあります。

術前の画像検査や手術時の病理検査で転移が判明した場合は化学療法(抗がん剤治療)による治療を行います。“がん”が大きく、手術では取り切れないと考えられる進行例では、まず化学療法を行い“がん”を小さくしてから手術を行うこともあります。

 

手術療法

陰茎温存手術

レーザー蒸散術などがあります。根が浅い“がん”に行います。包皮のみに存在する小さな“がん”であれば包茎手術(包皮環状切除術) による治療を行うこともあります。

 

陰茎部分切断術

陰茎を途中で切断する術式です。陰茎の先端近くにできた“がん”に対し行います。術後も立位で排尿ができます。

 

陰茎全切断術

陰茎を根元から切断する術式です。根の深い浸潤がんに対して行う標準術式です。外尿道口を新たに会陰部に作るため、排尿は座位で行うことになります。

 

鼠径リンパ節郭清

手術で鼠径リンパ節を摘除します。リンパ節転移が疑われる症例に行います。術後合併症として下腿の浮腫を認めることがあります。

 

放射線療法

小さく根が浅い“がん”に対し行われることがあります。転移に対しての有用性は明らかではありません。

 

化学療法(抗がん剤治療)

リンパ節転移を認める症例ではリンパ節郭清と化学療法を併用して治療を行うこともあります。

陰茎がんの再発率

陰茎温存手術後の再発率は28%、陰茎切断術後の再発率は5%程度と報告されています。再発の92%5年以内に起こるため、最低5年は経過観察を行う必要があります。