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腎盂・尿管がん

腎盂・尿管がん|よつかいどう泌尿器科クリニック|排尿障害・尿路結石のご相談なら|千葉県四街道市

腎盂・尿管がんとは

徳島大学大学院医歯薬学研究部泌尿器科学分野HPより引用

腎盂・尿管から発生する“がん”です。ほとんどが、腎盂・尿管の内部をおおう尿路上皮に発生します。腎盂は腎臓の一部ですが、腎盂がんと腎がんは性質が異なり治療法が変わるため、区別されています。

腎盂・尿管がんは、尿路内のいろいろな場所に多発しやすいという特徴があります。腎盂と尿管の両方に、また左右両方に発生することもあります。腎盂・尿管がんの治療を行った方の3050%に、膀胱がんが発生することが分かっています(尿路上皮がんの発生部位 徳島大学大学院医歯薬学研究部泌尿器科学分野HPより引用)。

腎盂・尿管がんの症状

最も多い症状は、血尿です。尿管が血液や“がん”でつまった場合は、腰や背中、わき腹の痛みを認めることもあります。痛みは良くなったり、悪くなったりすることもあります。排尿時痛や頻尿を認める場合もあります。

尿管が塞がると、腎臓が腫れた状態(水腎症)になり、水腎症が長く続くと、腎臓の機能がなくなってしまうことがあります(無機能腎)。腎臓は通常左右1つずつあり、もう一方の腎臓が機能を補うため、尿量が低下したり、体が浮腫んだりするなど腎不全の症状を認めることは多くありません。最近は超音波検査やCT検査を行う機会が増えたため、水腎症をきっかけに、偶然発見されることも珍しくはありません。

腎盂・尿管がんの検査

尿検査:尿中の血液や細菌、がん細胞の有無を調べます。

血液検査:貧血の有無や腎臓の状態を調べます。

超音波検査:水腎症の有無確認するための検査です。“がん”やリンパ節転移を確認できる場合もあります。

膀胱鏡検査:膀胱がんの有無を確認する検査です。尿管の出口(尿管口)からの出血を確認することで左右どちらに“がん”があるのかが分かります。

CT検査:造影剤を用いた撮影(CTウログラフィー)を行うことで、“がん”の有無や広がりを正確に調べることができます。リンパ節や肺、肝臓などほかの臓器への転移を確認することもできます。

腎盂・尿管鏡検査:麻酔下に腎盂・尿管内に内視鏡を挿入し内部を調べる検査です。腎盂・尿管がんが疑われても、CT検査等で診断に至らなかった場合に行います。

核医学検査:骨への転移を調べるため骨シンチグラフィーを行うことがあります。

腎盂・尿管がんの治療

腎盂・尿管がんの主体となる治療は手術療法です。転移がなければ基本的に手術(腎尿管全摘除術および膀胱部分切除術)を行います。尿路上皮がんは多発・再発するのが特徴なので、がん“が存在する部位だけを切除することは一般に行いません。

 

腎尿管全摘除術および膀胱部分切除術

“がんのある片側の腎臓・尿管を摘出し、さらに尿管の出口(尿管口)を膀胱壁の一部と共に切除する手術です。腎臓と尿管全体を摘出するため、その摘出側の再発の心配はありませんが、膀胱内にがんが再発する場合があります。

腎臓は左右に1つずつあるため、残った方の腎臓が正常に機能していれば人工透析が必要になることはまれです。

腎臓が一つしかない場合や、“がん”が小さく悪性度が低い場合は、尿管部分切除術や尿管鏡を用いた切除術を行うこともありますが、再発リスクが高いため適応を慎重に判断する必要があります。

 

薬物療法

進行していて切除が難しい腎盂・尿管がんや、転移や再発をした腎盂・尿管がんに対しては、薬物治療を行います。

がんの増殖を抑えたり成長を遅らせたりするのを目的に行います。腎盂・尿管がんでは、抗がん剤免疫チェックポイント阻害薬を使います。

 

抗がん剤

まず、最初に用いる薬です。細胞の増殖の過程の一部を邪魔することでがん細胞を攻撃する薬です。がん以外の正常に増殖している細胞も影響を受けます。

 

免疫チェックポイント阻害薬

免疫細胞の一種であるT細胞ががん細胞を攻撃する力を保つ薬です。抗がん剤を用いた薬物治療の効果がなく、がんが再発したり進行したりした場合に用います。抗がん剤の治療効果を持続させ、がんの進行を防ぐために用いる場合もあります。

 

また、術前の画像検査や手術時の病理検査の結果によっては、手術前後に抗がん剤治療を行うことがあります。転移例の場合にも、抗がん剤治療の効果をみて、手術や放射線治療を追加することもあります。

 

放射線治療

放射線療法は、放射線を照射して、“がん“を死滅させる治療法です。しかし、腎盂・尿管がんなどの尿路上皮がんにはあまり高い効果は期待できません。

一方で、手術療法に比べて身体的負担が少ないため、手術では根治が望めない場合や年齢や併存症などにより手術を行うことができない場合に選択されることがあります。また、転移した部位にたいし、痛みを取り除くことを目的に行う場合もあります。