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精巣腫瘍

精巣腫瘍|よつかいどう泌尿器科クリニック|排尿障害・尿路結石のご相談なら|千葉県四街道市

精巣腫瘍とは

精巣腫瘍は、男性の精巣にできる腫瘍です。痛みを伴わない精巣のしこりや腫れが初発症状です。およそ3040%に下腹部の重圧感や鈍痛を認め、10%で急性の精巣痛を認めます。10万人あたり12人と稀な疾患ですが、発症のピークが2030歳代で全罹患数の約2/340歳未満が占める、若い人に頻度の高い疾患です。

多くは悪性(がん)で進行が早く、約30%の症例で診断時に転移を認めます。広い範囲に転移すると、腹痛や呼吸困難、首のリンパ節の腫れ、体重減少、乳首の痛みや腫れなどを認めることもあります。

診断技術・治療法の進歩により、早期(病期Ⅰ)であれば5年生存率は100%との報告もあります。早期診断・早期治療が非常に重要な病気です。好発年齢の男性の方は、入浴時に自分で陰のうを触れてみる自己検診をお勧めします。

精巣腫瘍の原因

精巣腫瘍の原因はよく分かっていませんが、リスク因子として、家族歴、停留精巣、対側の精巣腫瘍の既往が挙げられています。

精巣腫瘍の分類

組織学的には胚細胞腫瘍、精索間質性腫瘍、血液リンパ組織性腫瘍、精管および精巣付属器の間葉系腫瘍など多岐に分類されますが、臨床的には、セミノーマ(精上皮腫)と非セミノーマの2つに大別されます。セミノーマは精巣胚細胞腫瘍で最も多い組織型で全体の3550%を占めます。非セミノーマはセミノーマに比べ転移しやすく、予後不良とされています。

精巣腫瘍の検査

触診:陰のう内に固く腫大した精巣を触れます。反体側の正常な精巣と比較をすることがあります。

超音波検査:音波を用いた検査です。手軽に行うことができ、痛みや被ばくを伴わない検査です。陰のう内に水が貯まって精巣が触れにくい場合や腫瘍が小さい場合に有効です。精巣内の腫瘍の有無を調べます。

血液検査:精巣腫瘍には、LDH(乳酸脱水素酵素)、 AFP(アルファ胎児性蛋白)、hCG(ヒト縦毛性ゴナドトロピン)、 hCGβ(hCGβサブユニット)などの腫瘍マーカーがあり診断や治療効果の確認に用いることがあります。

MRI検査:精巣内を詳細に評価することで、セミノーマか非セミノーマかを診断できる場合があります。また、骨盤内臓器への転移を調べることもできます。

CT検査:肺、肝臓、リンパ節などほかの臓器への転移を確認するための検査で、病期診断のため必須の検査です

精巣腫瘍の治療

手術療法

 

高位精巣摘除術

精巣腫瘍に対し最初に行われる治療です。原発巣の摘除および組織診断目的に精巣・精巣上体・精索をすべて摘除します。

 

後腹膜リンパ節郭清

大動脈周囲のリンパ節を開腹もしくは腹腔鏡下に摘除します。非セミノーマに対して行われることがあります。腸閉塞や射精障害といった合併症が起こるリスクがあります。

 

放射線療法

大きな動脈(大動脈、総腸骨動脈)の周囲にあるリンパ節に対し放射線を照射して、“がん“を死滅させる治療法です。セミノーマに対して行われることがあります。照射範囲や照射線量は病期により異なります。

 

化学療法(抗がん剤治療)

セミノーマ・非セミノーマの両方に対して行われる治療です。使用する抗がん剤や治療回数は組織型や病期により異なります。