慢性腎臓病(CKD)
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慢性腎臓病(CKD)
慢性に経過する腎臓病を総称しCKDと呼んでいます。CKDの患者数は1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)に上るとされています。
腎臓は、体の中の環境を正常に保つために不可欠なものであるため、CKDによって腎臓の機能が低下し続けると、さまざまな有害事象が発生します。
腎臓はあるレベルまで悪化すると、自然に治癒することはなく、病状の進行により、透析療法や腎臓移植を必要とする可能性があります。
CKDは糸球体腎炎やIgA腎症の他、糖尿病や高血圧、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病や肥満との関連が深いことが分かっています。
2016年末の時点で透析患者数は約33万人とされています。透析導入疾患の第1位は糖尿病が原因となる糖尿病性腎症(43.7%)、第2位は慢性糸球体腎炎(16.9%)、第3位は高血圧が原因となる腎硬化症(14.2%)であり、生活習慣病が原因となる腎臓病がおよそ半分を占めています。
初期のCKDは自覚症状がほとんどなく、健診などで腎機能障害や尿蛋白をきっかけに発見されることも少なくありません。CKDが進行すると、夜間頻尿、浮腫、貧血、倦怠感、息切れなどの症状を認めるようになりますが、これらの症状が現れたときは、すでに病気がかなり進行している場合が多く、病状の改善が難しい場合があります。定期的な血圧測定や尿検査が、CKDの早期発見につながります。
CKDの重症度は、ステージG1からステージG5の5段階に分けられ(CGA分類 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018より引用)、主たる指標として推算糸球体濾過量(eGFR)が用いられています。これは、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示しており、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。eGFRは血清クレアチニン値と年齢と性別から算出されます。
尿検査:尿中の蛋白やアルブミン量の他、血尿や円柱の有無を調べます。
血液検査:eGFRの他、貧血の有無やカリウム・カルシウム・リンなどの電解質などを調べます。
超音波検査・CT検査:腎臓の大きさや腎臓の腫れ(水腎症)などを評価します。
腎生検:針で採取した腎臓の組織の一部を顕微鏡で評価する検査です。CKDの原因を正確に診断することで、より適切な治療を行うことができます。
通常は、G3以上のCKDに対し治療を検討します。CKDの治療は、生活指導、薬物療法、透析療法・腎臓移植などが挙げられます。重度のCKD(G4以上)は腎臓専門医・専門医療機関による診療が必要となります。
塩分・たんぱく質の摂取制限の他、適切な体重管理、運動、禁煙などをお願いすることがあります。
原因疾患(糸球体腎炎、IgA腎症、糖尿病、高血圧、脂質異常症など)を認める場合はこれらに対する薬物療法を行います。カリウム・カルシウム・リンなどの電解質異常を認めた場合は、薬物療法により正常範囲に戻します。また、貧血を認めた場合は、エリスロポイエチンや鉄剤投与による治療を行います。
上記治療では病状が改善せず末期腎不全となってしまった場合に行います。