性器ヘルペス
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性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV)1型(HSV-1)または2型(HSV-2)の感染によって、性器に浅い潰瘍または水ぶくれ(水疱)を形成する疾患です。HSVは、感染すると、神経を伝わって脊髄へ潜伏感染します。潜伏感染したHSVは、何らかの刺激によって再活性化され、神経を伝わって、再び皮膚や粘膜に病変を形成するため、再発を繰り返すことも珍しくはありません。
発症には、1)初発(HSVに初めて感染し始めて発症)と、2)再発(すでに潜伏感染していたHSVが再活性化し発症)の二種類があります。一般に、初発は、広範囲で症状が強く、発熱などの全身症状を伴うことが多いとされ、再発は、症状が軽く、全身症状を伴うことは少ないとされています。
外陰部または口や口唇周囲からHSVが放出されているパートナーとの性的接触により、2~10日間の潜伏期後に、外性器に病変が出現します。
初発時には、性器にかゆみや違和感を伴った直径1~2mmの複数の水疱が出現し、発症後3~5日で水疱が破れて、有痛性の浅い潰瘍を形成します。病変は、亀頭、陰茎体に認めることが多く、鼠径リンパ節の腫れや尿道からの排膿をみとめることもあります。肛門性交による感染の場合、肛門周囲や直腸粘膜に病変が出現することがあります。発症から1週間前後が最も重症化するとされています。
再発時には、初発時とほぼ同じ部位に、病変を形成しますが、症状は軽く、1週間以内に治るとされています。
血液中の抗体検査は診断には役に立たないため、診察で本疾患を疑った場合は治療を行うことになります。治療は抗ヘルペスウイルス薬の投与です。
60~70%は再発例であるため、本疾患は再発対策も重要とされています。
再発抑制には、少量の抗ヘルペスウイルス薬の長期間(1年間)投与が有効とされ、60~70%の症例は再発を抑制できると言われています。
しかしながら、現在までに開発された抗ヘルペスウイルス薬は、増殖しているHSVの増殖抑制には有効ですが、潜伏感染しているHSVの排除には無効ですので根治は困難と考えられています。