WEB予約

尿路結石

尿路結石|よつかいどう泌尿器科クリニック|排尿障害・尿路結石のご相談なら|千葉県四街道市

尿路結石とは

尿路結石とは

尿路結石は、尿の中に溶け込んだ結石の成分が結晶化し、それが尿路(尿路の概要)にできた石状のかたまりのことです。背中やわき腹の激痛のほか、血尿や頻尿、排尿困難を伴うことがあります(尿路結石の部位と症状)。また、尿がうっ滞することで、尿路感染症や腎障害などを生じることがあります。

日本尿路結石症学会が2015年に行った全国調査によると、尿路結石の患者数は50年前(1965年)と比べて約3倍に増えています(尿路結石の年間罹患率の推移)。尿路結石を一生に一度作る人は、男性の6人に1人、女性の13人に1人とされており、身近な泌尿器疾患と言えるでしょう。

尿路結石の原因はさまざまですが、「食事の欧米化」による動物性たんぱく質のとり過ぎなど、生活習慣が尿路結石の発症に大きく関係していると考えられています。

尿路結石の年間罹患率の推移

尿路結石の原因

尿路結石の原因は、多くの要因が関与していると考えられていますが、尿路結石の成分を知ることで主たる要因を同定できる場合があります。尿路結石の約30%以上は原因不明であり、近年の研究ではメタボリックシンドロームとの関係が注目されています。

尿路結石の成分

カルシウム含有結石

尿路結石の中で最も頻度の高い結石です。主にシュウ酸カルシウム結石とリン酸カルシウム結石の2種類があります。その多くはシュウ酸カルシウム結石です。

 

原発性上皮小体(副甲状腺)機能亢進症

体内のカルシウムの量を調節している副甲状腺機能異常で、血中や尿中のカルシウムの量が多くなり、結石ができる場合があります。

 

特発性高カルシウム尿症

原因は不明ですが、尿中へのカルシウムの排泄が増えてしまうことにより、結石ができる場合があります。

 

高尿酸血症

尿酸は痛風や尿酸結石の原因にもなりますが、シュウ酸カルシウム結石も作りやすくします。

 

腎尿細管性アシドーシス

リン酸カルシウム結石の原因のひとつです。

 

高シュウ酸尿症

尿中へのシュウ酸の排泄が増えてしまうことにより、結石ができる場合があります。

 

薬剤性

眼圧を下げる薬や尿中への尿酸排泄を促進する薬などにより、結石ができる場合があります。

 

尿酸結石

 

高尿酸血症・痛風

尿酸は尿が酸性になると溶けにくくなり、尿酸結石の原因となります。純粋な尿酸結石はX線に映りません。

 

薬剤性

尿中への尿酸排泄を促進する薬などにより、結石ができる場合があります。

 

リン酸マグネシウムアンモニウム結石

 

尿路感染

リン酸マグネシウムアンモニウム結石は、尿路に特定の細菌(ウレアーゼ産生菌)が繁殖したときにできます。ウレアーゼ産生菌が繁殖し尿中でアンモニアが生成されると、尿が強いアルカリ性になり結石ができます。

 

シスチン結石

 

シスチン尿症

シスチンはアミノ酸のひとつで健康な人の尿中にも排泄されています。シスチン尿症は腸や腎臓でのシスチンの代謝に異常を来す病気で、通常の10倍以上のシスチンが尿中に排泄されます。シスチンは水に溶けにくく、結石ができる原因となります。

尿路結石の検査

血液検査:炎症反応の強さや腎臓の状態を評価します。

尿検査:尿中の血液や細菌の有無、尿中のpH(酸性~中性~アルカリ性)を調べます。結石成分の結晶を認めることもあります。

腹部X線検査:尿路結石の有無を調べます。場所、大きさ、個数などを評価することができます。

超音波検査:腎臓の腫れ(水腎症)を評価することで、尿路通過障害の有無を調べます。尿路結石を確認できることもあります。

CT検査:水腎症の程度、腎臓周囲の炎症所見、尿路結石の場所、大きさ、個数などを評価することができます。造影剤を使用すると、より詳細な評価が可能となります。

膀胱鏡検査:外尿道口から、内視鏡を入れ、尿道や膀胱の内部を観察します。膀胱や尿道にある結石を直視下に確認することができます。

尿路結石の治療

尿路結石の治療は、保存的治療と手術治療の2つに分類されます。

 

保存的治療

 

自然排石

小さな尿路結石は、十分な水分摂取と適度な運動により、自然な排石が期待できます。鎮痛薬や尿管の緊張を緩和させる薬(α1遮断薬)を用いる場合もあります。1cm以上の結石は、自然排石をあまり見込めません。

 

結石溶解療法

尿酸結石やシスチン結石は、十分な水分摂取の上、クエン酸塩製剤などにより尿をアルカリ化することで結石の縮小が期待できます。尿酸結石やシスチン結石の占める割合はあわせて4%程度です(尿路結石の成分)。

 

手術治療

体外衝撃波砕石術(ESWL)

腎結石や上部尿管結石に適応のある低侵襲な手術です。結石に焦点を合わせて衝撃波エネルギーを照射して砕き、砕石片は尿とともに排出させます。2cm以上の大きな結石対しては適応がありません。

 

経尿道的砕石術(TUL)

尿道から細径の内視鏡を挿入し、直視下に結石を破砕して取り出す手術です。軟らかい内視鏡(軟性尿管鏡)を用いるものをf-TULと呼んでいます。1~2cmの腎結石や尿管結石に適応があります。

 

経皮的破石術(PNL)

サンゴ状結石や2cm以上の大きな腎結石に適応のある手術です。背中から腎臓の中まで穴をあけ内視鏡を挿入し、直視下に結石を破砕して取り出す手術です。

 

TULPNLを同時に行う手術はECIRS(経皮・経尿道同時内視鏡手術)と呼ばれ、高い砕石効率と安全性を兼ね備えています。

 

開放手術

開腹術により結石を取り出す手術です。低侵襲手術が発達した現在では、行われることは少なくなりましたが、上記のような低侵襲手術では結石除去が困難な場合は適応となります。

尿路結石の有害事象に対する治療

尿路結石の有害事象に対する治療

疼痛や尿路感染症、腎障害などの有害事象が重度の場合、カテーテルを留置し体外へ汚れた尿や排出する治療を先行する場合があります。

腎瘻造設術

背中から腎臓の中に直接カテーテルを留置します。

 

尿管ステント留置術

結石脇へ腎盂から膀胱内までつながるカテーテルを留置します。

 

これらの治療はどれも連携施設である東邦大学医療センター佐倉病院で行うことができます。

結石再発予防治療

砕石治療により結石が取り除かれ、痛みが治まっても治療は終わりではありません。

尿路結石は非常に再発しやすい病気で、患者さんの2人に1人は5年以内に再発するといわれています。原因がハッキリしなくても、一度結石ができた方は、生活習慣や遺伝などさまざまな原因で「結石ができやすい体」になっています。このような体質を改善するため「再発予防治療」を行う必要があります。再発予防治療の主なポイントは以下のようなものが挙げられます。

 

  • バランスの良い食事
  • 十分な水分摂取
  • 適正な尿pHの維持
  • 肥満の解消
  • メタボリックシンドロームの解消

 

食事や飲水の注意を守っても、尿中カルシウム量が多い場合や尿pHが酸性の場合は、利尿薬クエン酸塩製剤を用いて治療することがあります。また、結石成分によって行う再発予防治療が異なる場合がありますので、結石が採取できた場合は医師にお知らせください。