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夜尿症(おねしょ)

夜尿症(おねしょ)|よつかいどう泌尿器科クリニック|排尿障害・尿路結石のご相談なら|千葉県四街道市

夜尿症とは

5歳を過ぎても週に23回以上の頻度で、少なくとも3ヶ月以上連続して夜間睡眠中の尿失禁(おもらし)を認めるものを夜尿症と言います。

男女比は約21で男児に多いとされています。また、ご両親のどちらかに夜尿症の既往がある場合、40%のお子さんに夜尿症が出現するとされています。

夜尿症の頻度

夜尿症診療ガイドライン2016より引用

5~6歳で約20%、小学校低学年では約10%10歳以上でも5%前後に夜尿を認めるとされています。中学校で13%まで減少しますが、まれに成人になっても夜尿が継続することもあります(年齢毎の単一症候性夜尿症の有病率 夜尿症診療ガイドライン2016より引用)。日本の小中学生における夜尿症の罹患率は6.4%と推察されており、アレルギー性疾患に次いで頻度の高い疾患です。

夜尿症の原因

明らかな原因は分かっていません。

夜尿症は、1)夜間睡眠中の覚醒障害を基盤として2)抗利尿ホルモンの夜間分泌不足による尿量増加、3)蓄尿機能の未熟による膀胱容量低下、が加わって起こると考えられています。

夜間尿量が多くても尿意で覚醒してトイレで排尿するか、膀胱容量が夜間尿量を上回れば、夜尿は認めません。また、膀胱容量が小さくても夜間尿量がそれを下回れば夜尿はみられません。

夜尿症の分類

夜尿症の分類

海外や国内で多数の分類が存在しますが、我が国では、病因により分類を行うことが多いようです。つまり夜間尿量の多い多尿型、膀胱容量の少ない膀胱型、両者がみられる混合型の3つに分類します。

夜尿症のお子さんの5%弱は泌尿器科的疾患、内分泌疾患、脊髄疾患や精神疾患(夜尿症の原因となりうる疾患)を伴うことがあるため、初診時に、これらの疾患が合併していないかを慎重に診察します。基礎疾患が否定されたのち、夜間尿量の測定や膀胱容量の測定を行い、病型分類を行います。

夜尿症の検査

自覚症状の評価:排尿状態はDVSS、排便状態はRome Ⅲ 診断基準というアンケート形式の問診表で評価を行います。

排尿日誌

身体所見:扁桃腺や仙骨部、外性器などを観察するほか、腹部の触診などを行います。

尿検査:尿比重や尿浸透圧、尿糖の有無を調べます。

血液検査

超音波検査:膀胱壁肥厚の有無や残尿量を調べます。

腹部X線検査:便塊貯留の有無などを調べます

 

昼間の尿失禁や尿路感染の既往を認める場合は、MRI検査や膀胱造影、膀胱鏡などを行うことがあります。

 

DVSS

夜尿症診療ガイドライン2016より引用

夜尿症診療ガイドライン2016より引用

 

Rome Ⅲ 診断基準

夜尿症の治療

行動療法

最初に行われる治療です。生活指導、排尿訓練、排便管理などが挙げられます。

 

生活指導

指針として、1)罰を与える方法で治療を行うべきではないこと、2)夜尿記録を作成すること、3)定時排尿を行うこと、4)リラックスした体位で排尿すること、5)夕方以降の飲水・タンパク摂取を控えること、6)便秘を認める場合は治療を行うこと、7)中途覚醒を強制しないこと、などが挙げられます。

 

排尿訓練

代表的なものとして、膀胱訓練(できるだけ排尿を我慢し徐々に排尿間隔を延長する)、定時排尿(決まった時間で排尿する)などがあります。相反する治療のように思われがちですが、両者とも“適正な時間に排尿させる”ことを目的としています。

 

排便管理

毎朝朝食後に苦労なく軟らかな排便が得られるよう、食事内容を検討し、必要な場合は、緩下剤を使用します。

 

欠席がいじめのきっかけにならないよう、学校行事(修学旅行やキャンプ)にはできるだけ参加させるようにします。その際は、夜間に起こすことを検討してもよいとされています。

 

アラーム療法

下着にアラームを装着し、音や振動で就寝中の排尿を気づかせ、覚醒してトイレに行くか、我慢できるようにする治療です。夜間の膀胱容量が増加することが、治療効果を生むメカニズムの一つと考えられています。

12か月で膀胱容量はおよそ1.5倍に増加し、約2/3の患者に有効とされています。治療は、2週間連続で夜尿が消失するまで、おおむね1216週間を要するとされています。治療中断率は約3割とされています。

 

薬物療法

抗利尿ホルモン(デスモプレシン)

第一選択となる治療薬です。尿量を減らす作用があり、膀胱容量が正常で、夜間の尿量が多い患者に最も有効とされています。有効率はアラーム療法と同等とされていますが、治療中断率は約5%とされています。アラーム療法と併用されることもあります。

有害事象として水中毒や低ナトリウム血症が挙げられ、投与1時間前から投与後8時間後までの飲水量を240mL以下に抑えることが推奨されています。

 

抗コリン薬

膀胱容量を増加させる作用があり、昼間の尿失禁を認める場合やアラーム療法や抗利尿ホルモンの治療効果が不十分な場合に使用します。抗利尿ホルモンとの併用により有効率は約40%とされています。

有害事象として便秘が挙げられ、緩下剤の内服を要することがあります。

注意欠如・多動性障害(ADHD)と夜尿症

ADHDの患者の1015%に夜尿症が合併するとされ、ADHDの治療により夜尿症が改善する可能性があります。