腎盂尿管移行部狭窄症
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腎盂尿管移行部狭窄症
腎盂から尿管に移行する部位(腎盂尿管移行部)が、何らかの原因により狭くなった状態です。背中や腰の痛みや血尿、発熱などの症状を認める場合もありますが、無症状を伴わず、画像検査で水腎症を指摘されて見つかる場合もあります。腎機能障害の原因になることもあります。
先天性(生れつき)の原因と後天性(生れた後に起こった)の原因があります。
先天性の原因は、①内因性(もともと腎盂尿管移行部の内腔が狭い)、②付着異常(尿管が腎盂に付着する部位が高い)、③外因性(異常血管により腎盂尿管移行部が圧迫されている)の3つに大別されます。
後天性の原因として炎症や腫瘍などが挙げられます。
先天性の水腎症を認める頻度は750~1500人に1人で、そのうち腎盂尿管移行部狭窄症が原因となるのは11%と報告されています。男女比は2:1で男児に多く、左側が2/3を占めるとされています。両側に狭窄を認める頻度は10~46%と報告されています。
尿検査:尿中の血液や細菌の有無を調べます。
血液検査:腎臓の状態を調べます。
超音波検査:水腎症の有無を確認します。
CT検査:造影剤を用いた撮影を行うことで、狭窄部位や異常血管を正確に調べることができます。
腎盂・尿管鏡検査:麻酔下に腎盂・尿管内に内視鏡を挿入し内部を調べる検査です。腎盂・尿管がんが疑われても、CT検査等で診断に至らなかった場合に行います。
核医学検査:左右の腎機能(分腎能)を詳細に評価するため腎シンチグラフィーを行うことがあります。
主な治療は腎盂形成術という手術です。狭窄部を切除し、腎盂と尿管を大きく広げた後、両者を縫合します(腎盂形成術の概要)。原因が外因性の場合は、再狭窄が起きないように原因血管の前で縫合を行います。以前は開腹下に手術を行っていましたが、近年は腹腔鏡下での手術が標準的となっています。2020年4月には、ロボット支援腎盂形成術が保険適応となりました。
腎盂形成術の概要