二分脊椎(脊髄髄膜瘤)
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二分脊椎(脊髄髄膜瘤)
脊髄は大脳からの指令を体中に伝える神経の束と、この働きを調節・制御する神経細胞からできている重要な器官です。
二分脊椎は、生まれながらにして脊髄が入っている背骨のトンネル(脊柱管)の形成不全があり、脊椎の中にある脊髄の機能が障害を受けている先天疾患のひとつです(二分脊椎の疾患イメージ)。
二分脊椎では、下肢の運動障害・知覚麻痺や排泄(排尿・排便)の機能障害を認めますが、車イスが必要な場合から、歩いたり走ったりすることは問題なく排泄にのみ障害を認める場合まで障害の程度は様々です。
二分脊椎の疾患イメージ
https://www.ortho.wustl.edu/より引用、一部改変
脊髄髄膜瘤は、およそ1,000出生あたり1の割合で発生するとされています。原因についてはほとんど分かっていません。遺伝的要素は60~70%であろうと推測されていますが、今のところ原因遺伝子は同定されていません。
背中の皮膚欠損や瘤により出生時にすぐ診断がつく場合があります。一方、出生時には診断されなくても、背中の小さな瘤や皮膚のくぼみ、異常発毛などで診断されることがあります。
オムツをつけている間は、排泄障害に気が付かないこともありますが、膀胱炎や腎盂腎炎の反復やオムツをはずした後に尿失禁が続くということがきっかけで診断されることもあります。
生まれてまもなく脊椎の異常を修復する手術を行います。また約8割に水頭症を合併するため、数ミリの管で脳とお腹を結び余分な髄液を頭からお腹に流すシャント術を行います。
泌尿器科では、排尿障害に対する治療を行います。治療の詳細については神経因性膀胱の項をご参照ください。