包茎
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包茎
包皮により亀頭が覆われた状態を指します(包皮と亀頭 https://kotobank.jpより引用、改変)。包皮を陰茎根部の方へスライドさせ亀頭を露出させることを“包皮翻転(ほんてん)”と呼びます。包皮翻転ができない割合は乳幼児期で60~80%、11~15歳で6.3~37.1%、17歳以降は1%未満といわれており、成長に伴い減少していくことが知られています。
したがって、小児包茎に対する治療は有害事象(亀頭包皮炎、排尿障害、嵌頓包茎)を認めた場合に行います。17歳以降の包茎は、真性包茎もしくは嵌頓包茎を認めた場合に行います。
包皮と亀頭の間で細菌感染による炎症を起こした状態です。包皮の発赤・腫脹、亀頭部の痛みなどの症状の他、包皮輪からの排膿や排尿時痛を認めることもあります。
包皮輪が狭くなり、尿が出しづらくなった状態です。包皮と亀頭の間に尿が貯まり包皮が膨らむballooningや尿線の細小化を認めます。
包皮輪により陰茎が絞めつけられ循環障害を来した状態です。亀頭部の痛みやうっ血、包皮の浮腫みなどの症状を認めます。無理に包皮翻転を行うことで生じ、放置すると包皮が壊死することもあります。
包皮輪が狭かったり、包皮と亀頭が癒着したりすることで包皮翻転ができない状態です。
小児包茎は有害事象を認めなければ経過観察を行います。治療には、翻転法と手術療法があります。真性包茎や用手的に戻すことができない嵌頓包茎、閉塞性乾燥性亀頭炎(BXO)以外は、まず翻転法による治療を行います。
1)翻転法で改善しない小児包茎、2)17歳以降の真性包茎、3)用手的に戻すことができない嵌頓包茎、4)閉塞性乾燥性亀頭炎(BXO)が手術適応となります。
包皮輪の背側(12時方向)に縦切開を加え、亀頭を露出した後、切開部を横方向に縫合する術式です。
包皮輪を全周性に切除し、亀頭を露出した後、切除部を全周性に縫合する術式です。
現在では、“硬化性苔癬”という疾患により包茎または環状溝に包皮が癒着した状態と考えられています。
硬化性苔癬は、肛門や性器周囲の皮膚に生じる原因不明の疾患で、かゆみや皮下出血、水疱などの症状を認めることがあります。病状が進行すると、皮膚が薄くなり象牙色へと変色し、ひび割れや鱗屑を伴うようになります。圧倒的に女性に多く、男女比は1:10との報告もあります。
男性の場合、少年期から高齢者までみられますが、30~50歳に発症することが多いと言われています。好発部位は、包皮、環状溝、亀頭部であり、陰茎体や肛門周囲に生じることはまれです。
自覚症状として、“包皮が締め付けられる感じ”や包茎を認めます。成人包茎の11~30%に硬化性苔癬を認めたとの報告もあります。勃起障害や勃起時の痛みのほか、排尿障害を伴うこともあります。最近では、尿道狭窄の原因の一つと考えられています。
包皮輪や外尿道口が狭くなり排尿障害を生じている場合は手術療法による治療を行います。排尿障害を認めない場合は、まずはステロイドの外用など保存的な治療を行い、それらの治療が効かなかった場合、手術を考慮します。