精索捻転症
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精索捻転症
精巣が回転し精索が捻じれて、精巣の血流が障害された状態です。長時間放置すると精巣が壊死してしまうため、早急な診断・治療が必要となります。
30歳以上の方に起こるのはまれで、12~18歳の間で最も頻発し、次いで乳児期に多いとされています。左側に発症する頻度が高いとされます。
精巣鞘膜への精巣の固定異常が原因と考えられています。代表的な固定異常であるbell-clapper変形(精索捻転につながる精巣固定異常)は男性の約12%で認められ、この異常があると、自然発生的または外傷後に精巣が精索を軸に回転しやすくなるとされています。
精索捻転につながる精巣固定異常
突然、強い陰のう痛を認めます。痛みは下腹部まで及ぶこともあり、嘔気・嘔吐を認めることもあります。しばらくして、陰のうの浮腫や硬結を認めるようになります。患側の精巣挙筋反射(太ももの内側を触ったときに、精巣が上に持ち上がる反射)は通常消失します。
自覚症状や身体所見を点数化し、リスク分類したものにTWISTスコア(TWISTスコア)があります。
通常、治療を開始するには臨床診断で十分とされています。精巣上体炎でも同様の症状、身体所見を認めるため、しばしば鑑別に苦慮することがあり、超音波検査を行うこともあります。
音波を用いた検査です。手軽に行うことができ、痛みや被ばくを伴わない検査です。血流を視覚的に表すカラードプラー法を使用します。精巣血流の減弱や消失を認めます。精巣腫瘍の有無や精巣上体の状態を調べることもできます。
精巣の救済率は、発症後6~8時間では80~100%、12時間ではほぼ0%とされるため、発症後6時間以内に治療を行うことが原則とされています。
まずは徒手整復(手で捻れを戻す)を試みますが、成功率は一様ではなく、うまくいかない場合は速やかに手術治療を行います。
陰のうを切開し精巣・精巣上体・精索を陰のう外に引き出し、用手的に捻転を解除します。その後、再発しないように精巣を陰のう内に固定します。対側の精巣も固定を行います。